法人概要
活動のご報告

土曜日の午後はH2Oサンタ チャリティートークイベント<NPO法人ふうせんの会>を開催しました!

2025.03.22

本日のチャリティートークイベントは、NPO法人ふうせんの会の佐治さんをお迎えして、お話を伺いしました。


皆さんは、“ヤングケアラー”をご存知ですか?“ヤングケアラー”は、「ケアを要する家族がいるため、家族のケア(家事、介護、こどもの世話、通訳、感情的サポート等)を行っているこどもたち」のことを言います。ケアが必要な家族とは、幼い、高齢である、病気や障がい等がある、日本語を第一言語としていない等様々です。また、こどもがしているケアの内容も、いわゆる身体的な介護だけではなく、家事やきょうだいの面倒なども入り、お世話全般のことを指しています。国は、2020年と2021年にわたり、小学生~大学生を対象に全国調査を実施。その結果、おおむね17~20人に1人がヤングケアラーの可能性があることがわかってきました。これはクラスに1~2人のヤングケアラーがいるということです。

ふうせんの会は、家族のケアを担っている(いた)こども・若者や、ヤングケアラーに関わる専門職が集まってできた団体です。大阪市中央区谷町を拠点として2019年12月に任意団体として活動を始め、2022年2月にNPO法人を設立しました。ヤングケアラーが安心して交流できる場をつくり、彼らが夢をもって自分らしく生きていけるような社会を作るために、活動しています。現在、年間約100人くらいのヤングケアラーと出会っているそうです。佐治さんがこの活動を始めたきっかけは、ご自身も家族の介護をされていたことで、小さい時から家族のケアがて当たり前でしたが、いろんなことを感じたこともあり、家族のケアを行ってきた当事者同士が集まってできた団体であるふうせんの会に参加しようと思ったそうです。


こどもや若者が家族のケアをしていることは「昔からよくあること」かもしれません。しかし、ひとくちにケアといっても、多岐にわたり、「高齢の家族の外出の手伝い」「病院の付き添い」「食事の介助」「精神的にしんどい親の話し相手」「年下のきょうだいの面倒をみる」。最近では海外にルーツの親を持つ家庭も多く、こどもが通訳として、役所や病院に付き添うなど、日々世話を担うことによって、自分の時間を持つことができないことがあるそうです。その状態が日常化していて、自分自身が、過度なケアをしていることに気づかないことが大きな問題だそうです。

そして、日々ケアを担うことによる影響は様々なところに現れてきます。

  • 【遅刻してしまう、家で勉強ができない】
    • 遅刻・欠席、忘れ物、授業中の居眠り、成績不振等、学校生活に影響がでます。先生に注意されても、自分の状況を上手く説明できないため、「ダメな生徒」と誤解されることも少なくありません。
  • 【心身の健康を損なう】
    • 情緒不安定、摂食障がい、原因不明の体調不良等様々ですが、健康状態が思わしくないことは国の調査でも指摘されています。ケアが終わっても不調が続くことが多いようです。
  • 【友人関係がうまくいかない】
    • 友達と話が合わない、急いで家に帰るので、友達の誘いをいつも断る。そもそも学校に行かないため深い仲の友達ができない等、友人関係での悩みを抱え、孤立することが少なくありません。



ふうせんの会には、そんな現実的な「悩み」を抱えた、現役ヤングケアラーや元ヤングケアラーがつながる場「つどい」があります。つどいには、4つの特徴があります。

  • 【同じような立場の仲間に会える】
    • 自分と同じようにケアをしていた人と出会うことで、ケアの内容は違っても、その時感じた気持ちや思いを共有することができます。
  • 【安心して自分や家族の事を話せる】
    • わかってくれる人の前では、相手の反応を恐れずに安心して話せます。安心な場を維持するために、秘密保持などのルールを決めています。
  • 【ケアから離れることができる】
    • 自分のことより家族が優先の日常のなかで、ケアを離れて参加するひとときは、自分の思いを誰にも遠慮せずに話せます。
  • 【お互いの経験から学べる】
    • 学校生活、友人関係、進路、自分のメンタルケアなど、他の人はどうやって乗り切ったの?他の参加者の体験からヒントを得られることがあります。

今までに27回開催し、参加人数は519人(※2025年1月報告 ※NPO法人化以前の開催回数、人数を含む)。参加者の声は、当事者同士で話すことによって「自分一人ではない」と思えたや、「初めてケアのことを人に話せた」など、抱えていた不安や重さ、そして新たな気づきを感じられたそうです。

最後に、佐治さんから、潜在的に自分自身がヤングケラーだと気づいていない人は多いです。自分の友人の中に、もしかすると、あの人はヤングケアラーではないかと思う人がいたら、気にかけて、寄り添ってあげてください。あなたのこと、気にしているよということを、態度にあらわしたり言葉をかけてくださいと仰いました。また、今日聞いたことを家に帰って家族の方と話してみてください。そうすることで、ヤングケアラーの存在を広めることが有難いそうです。

詳しくは【ふうせんの会HP】



今回も、こどもたちが楽しく学べるHANKYUこどもカレッジ企画と連動して、チャリティートークイベントを聞けば答えがわかるNPOクイズを実施し、正解の方にはH2Oサンタオリジナルクリアファイルをプレゼントしました。こどもさんから、ご年配の方まで熱心に聞いていただき、「募金はどこにしたらいいんですか?」という声もいただきました。

本日もご来場いただき、ありがとうございました。