土曜日の午後はH2Oサンタ チャリティートークイベント<NPO法人おおさかこども多文化センター>を開催しました!
2024.06.08本日、阪急うめだ本店9階祝祭広場で開催したチャリティートークイベントには「NPO法人おおさかこども多文化センター」の村上さんと小川さん、そして鄭(テイ)さんにお越しいただき、日頃の活動などについてお話を伺いました。
NPO法人おおさかこども多文化センターは、2011年2月に設立し、外国にルーツをもつこどもを対象に、日本語・母語教育を含めた包括的な教育支援を行い、異なる言語、文化を持つ人々がお互いを理解、尊重し、共に暮らしていける多文化共生型社会をつくることをめざして活動されています。
日本には、親の国際結婚や仕事上の都合などで来日し、日本語ができない状態で暮らすこどもたちがたくさんいます。大阪府下の小・中・高校に外国籍のこどもたちは、約8,900名(2023年大阪府教育庁調査)も通っています。言語の種類も様々で37種類もの母語があり、現在の学校教育では全ての言語への支援は困難です。日本語ができないために、学校の授業についていけなかったり、中にはトイレに行きたくても「トイレに行きたい」という表現ができず、困ってしまい、ひとりでつらい思いをすることもあるそうです。
日本人は中学校までの義務教育を受けなければなりませんが、外国人のこどもには日本国内の義務教育への就学義務はありません。そんな中、日本の学校へ通った場合も言葉の壁など様々な困難があり、友達や先生とのコミュニケーションがとりにくいことなどから学校を辞めてしまうことも多くあるそうです。日本に来て10年目になる鄭さんも中国から日本に来た当時、日本語がしゃべれず中学校ですごく不安だったそうです。でも、その時話しかけてくれたクラスメートが自分のことを気にかけて、親切に話しかけてくれたことでとても心が救われたそうです。もし周りに外国のお友達がいる時にはまず「大丈夫?」などの声をかけるだけでも相手はとても安心すると思います、と言われていました。
「おおさかこども多文化センター」では外国から来たこどもたちへの日本語教育支援や学習のお手伝いを行っています。さらに外国にルーツをもつこどもたちが、いきいきとすごせる居場所をつくり、活動を通じて自分らしく成長できるように、「サタデークラス」というボランティアによるこどもたちへの学習支援を行う教室を毎週土曜日に開催しています。
団体では、多くの絵本を集めて自分の国の絵本を他国の人々に紹介しあうことで、いろいろな文化や言葉に出会い、交流する活動イベントも行っています。他国のことを身近に感じることで、こどもたちは自然とお互いの距離感が縮まるそうです。そして、今回のトークイベントではブラジルからやってきた主人公カルロスくんが、ことばの分からない日本の学校でどのように過ごしていくのかを描いた『ええぞ カルロス』という紙芝居を、おおさかこども多文化センターの小川さんと鄭さんに日本語と中国語の交互での読み聞かせで披露していただきました。
最後に村上さんからは外国からたくさんのこどもが日本に来ていますが、そのこどもたちにもそれぞれの文化があり言葉があることをこれからみんなで一緒にくらしていく上で興味、関心を持っていただきたい。そして、おおさかこども多文化センターのこういった活動を周りの人たちに広めていただければありがたいです、と仰っていました。
そして今回は、おおさかこども多文化センターのトークイベントの他に「阪急百貨店吹奏楽団」のみなさんが、こどもたちの支援につながるなら、とのことで応援にかけつけてくれました。「すみれの花咲く頃」から「1970年代のヒットソングメロディー」まで全5曲を披露していただきました。ご来場のお客様は演奏に聴き入っておられ、アンコールが終わると会場は割れんばかりの拍手に包まれました。
今回も、こどもたちが楽しく学べるHANKYUこどもカレッジ企画と連動して、チャリティートークイベントを聞けば答えがわかるNPOクイズを実施しました。今回は鄭さんに中国語でもNPOクイズの内容を会場の皆さまへ説明していただきました。そしてクイズ正解の方にはH2Oサンタオリジナルクリアファイルをプレゼントしました。今回は25名もの方がクイズに参加してくださいました。鄭さんが中国語でクイズを訳してくれたこともあり、中国にルーツをもつお子様にもご参加いただきました。本日は祝祭広場でまさに”多文化”を感じたイベントでした。ご参加いただきました、世界のみなさま、ありがとうございました。
本日もご来場いただき、ありがとうございました。