土曜日の午後はH2Oサンタチャリティートークイベント<認定NPO法人ジャパンハート>を開催しました!
2024.06.15本日のチャリティートークイベントは、認定NPO法人ジャパンハート理事長で小児科医でもある吉岡春菜さんをお迎えしてお話を伺いました。
『病気になったら、病院に行く』それが当たり前ではない人たちがいます。
認定NPOジャパンハートは、「日本発祥の国際医療NGO」として、創設者・吉岡秀人(小児外科医)さんが、自身の長年の海外医療の経験をもとに、医療支援活動のさらなる質の向上を目指して設立されました。「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に国、地域、人種、政治、宗教、境遇を問わず、すべての人が平等に医療を受けることができ、“生まれてきて良かった”と思える社会の実現を目指し国内外を問わず活動されています。そして2004年の設立以来、ミャンマーからスタートした活動は現在、カンボジア、ラオス、そして日本国内へと広がっています。
創設者である吉岡秀人氏(小児科医)がジャパンハートの活動をミャンマーでスタートさせたきっかけは、第二次世界大戦の時、ミャンマーで戦死した日本人兵士の慰霊を続けていた高齢の日本人の方々との出会いでした。戦後50年を過ぎると慰霊される方も高齢のため医師である吉岡さんが付き添うことになったそうですが、その時、慰霊に訪れていた方から、「何万人もの仲間がミャンマーで戦死していった中、自分たちは捕虜になっていた時、ミャンマーの村々の方からこっそりと水やお米、塩などを分け与えてもらい、命をつなぎ生き延びて帰る事ができた。だからその恩返しの意味を込めてこうした活動をしている」という話を聞かれたそうです。しかし高齢でこうした慰霊も続けることができなくなってくる中、「医師であるあなたが、仲間の眠っているこの地で医療活動をしてくれればそれが一番の慰霊になるんだよ」という事を言われたのがきっかけでジャパンハートの医療支援の活動が始まったそうです。
現在、ジャパンハートはアジアの国々で活動していますが、まだまだ医療制度が整っていない地域が多く、例えばカンボジアなどは日本のように保険が充実していないため、貧しさから適切な医療を受けることができず、1歳未満で年間約1万人が亡くなっています。これはだいたい10人に1人の割合です。日本と比較するとなんと50倍以上。発展途上国では、設備や技術が未熟であったり、お金がないために医療が受けられない、薬が買えないなどの理由で、日本なら助かる命が助からないといった現状があるのです。ジャパンハートではお母さんと赤ちゃんの命を守るため年間約3,000人の妊婦検診を行い、そのほか保険指導や健診活動、母子のための出産後のケアや指導も行ない、また助産師さんに向けての講習も積極的に実施されています。
2016年5月には首都プノンペンから北へ35km離れたカンダール州に、活動拠点となる病院を建設し開院しました。こどもから大人までの一般外来診療だけでなく、産科の診療も開始。また2018年6月に、小児病棟を増築し「ジャパンハートこども医療センター」へとなり、小児がん治療のための病棟を含む小児科病棟を増築し、小児がんや小児外科疾患を含む小児全般の病気の診療が可能となりました。また日欧米などの先進国では生存率が高まっている小児がんですが、カンボジアなどの発展途上国では小児がんの生存率は20%と言われています。ジャパンハートの医療にたどり着くことができれば生存率は50%以上にも引き上げることが可能になりました。そして、2025年8月には、カンボジアにふたつ目の病院が完成予定となっています。
ジャパンハートでは国内でも様々な活動に取り組まれています。大規模自然災害および感染症拡大をはじめとする緊急時に、医療支援を届ける事業では平時から災害ボランティアを育成し、発災時には災害専門の医療支援チームが被災地に医療を提供しています。加えて、緊急時には医療福祉関係者をはじめとする被災者に向けての医療資材をはじめとする物資支援も行っています。更には国内のこどもたちの支援活動も実施されています。小児がんのこどもたちは、症状の心配もあり遠方への旅行に行く機会なども限られてしまいます。そこでジャパンハートでは医療者から離れることで不安を抱える旅行や外出を楽しむことができるようジャパンハートのスタッフ・ボランティアの医療従事者が旅行に付き添い、「治療が終わったら家族で旅行に行きたい!」「もう一度、あの場所に連れて行ってやりたい」という家族とのかけがえのない思い出を作るお手伝いもされています。
最後に吉岡さんからは、NPOを支援する制度がある佐賀県へのふるさと納税で「ジャパンハート」を指定して納税(寄付)していただいたり、Yahoo!ネット募金のご案内もありました。また、このような活動があることを友だちにシェアしていただけるると嬉しいですとおっしゃられていました。