土曜日の午後は H2Oサンタ チャリティートークイベント<認定NPO法人クラック>を開催しました!
2025.07.25本日の阪急うめだ本店9階祝祭広場 チャリティートークイベントは、認定NPO法人クラックの小池さんにお話を伺いました。
認定NPO法人クラックは、中高生にデジタル学習の機会を提供することで支援している団体です。2018年6月に大阪市淀川区で設立され、日々の活動が評価され、2023年2月には認定NPO法人となりました。
現在、日本が直面している課題の一つに、親の年収がこどもの学歴や将来の雇用形態、ひいては成人後の年収にまで影響を及ぼし、格差を生んでいる現状があります。ある調査報告によると、日本のこどものうち9人に1人が相対的貧困の状態にあるそうです。これは、1クラスに4〜5人のこどもが貧困に苦しんでいることを意味します。認定NPO法人クラックは、このような世代を超えた**「貧困の連鎖」を断ち切る**ことを目指し活動しています。
小池さんは3年間、中学校の英語の先生だったそうです。学校にはこどもたちに多様な学びの機会を提供する役割がありますが、小池さんは学校現場では手が届きにくい、困難な状況にいるこどもたちへ直接支援を届けたいという思いから、クラックに入られたとのことです。
親の年収とこどもの将来
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、親の年収が高いほどこどもが大学に進学できる可能性は高まります。一方で、年収が低いと大学進学率が下がる傾向にあるという調査結果があります(東京大学「高校生の進路追跡調査」より)。また、学歴が低いがゆえに非正規雇用になるケースが多いという現状も存在します(厚生労働省「平成25年若年者雇用実態調査」より)。
具体例を挙げると、親の年収が1,000万円程度の世帯では、62%のこどもが大学へ進学するのに対し、年収が400万円程度の世帯では、大学進学率が約31%にとどまるとされています。これは、塾の費用といった経済的な側面だけでなく、親の教育に対する意識も影響していると考えられます。
さらに、大卒者の5人に1人、高卒者の2人に1人が非正規雇用であるというデータもあり、高卒者の非正規雇用率は大卒者の倍以上です。このように、親の年収がこどもの学歴やその後の雇用形態に影響を与え、**「負の連鎖」**に巻き込まれてしまうケースも少なくありません。
貧困の連鎖を断ち切る
貧困の連鎖を断ち切るためにも、こどもたちが生きていく上で役立つスキルを身につけるための授業を提供しているそうです。現代社会においてITスキルは不可欠であり、将来、こどもたちが社会に出た時に「武器」となるよう、プログラミングを教えているとのことです。
プログラミング学習支援としては、パソコンのプログラミング言語やその扱いを学ぶ「Tech Runway」があります。これは週2回、3か月間かけて実施され、完全無料でプログラミングを学ぶことができます。これまでにプログラミング体験会には1806人ものこどもたちが参加しているそうです。
また、それとは別にキャリア教育支援にも力を入れています。キャリア教育支援では、お金の話や職業選択について伝え、こどもたちが「自走力」(自分で生きていく力)を高められるよう取り組んでいるとのこと。具体的には、仕事内容の実情を聞いたり、困った状況になった時にどこへ相談すれば良いかなど、生きていくための様々な知識を身につけ、将来像を描く機会を得ることができるそうです。
大学生インターンがこどもたちのロールモデルに
どちらのプログラムも、年齢の近い大学生インターンが指導したり、こどもたちに寄り添ってくれたりしているそうです。こどもたちにとっては良いロールモデル、つまりお手本として活躍してくれています。
小池さんからのメッセージ
最後に、小池さんからこのようなメッセージをいただきました。
「何の責任もないこどもたちが、困難によって苦しんでいる現状を知っていただきたいです。様々なことを学びたい意欲があっても、クラックのような教育支援をしてくれる仕組みを知らなければ、そこに頼ることもできません。今日、この話を聞いてくださった方が、ご家庭で話題にしてくださったり、SNSで発信してくださることで、こどもたちに情報が届き、誰かの将来が明るく変わる可能性が生まれます。」
今回も、こどもたちが楽しく学べるHANKYUこどもカレッジ企画と連動して、チャリティートークイベントを聞けば答えがわかるNPOクイズを実施し、正解の方にはH2Oサンタオリジナルクリアファイルをプレゼントしました。
本日もご来場いただき、ありがとうございました。