土曜日の午後はH2Oサンタ チャリティートークイベント<一般社団法人ニュールック(new-look)>を開催しました!
2026.11.07本日、阪急うめだ本店 9階祝祭広場で行われましたチャリティートークイベントは、一般社団法人ニュールック(new-look)代表理事の山口さんにご来場いただき、日頃の活動についてお話を伺いました。
一般社団法人ニュールック(new-look)は、引きこもりや不登校、非行、経済的な事情など、さまざまな理由により高校を中退したり、高等教育を受けられなかったりした経験を持つ青少年や、その可能性のあるこども・若者たちを対象に進学や就労などの支援を行い、社会復帰をサポートしている団体です。
最近は、高校中退後などに通信制高校へ進学したものの、うまく適応できなかった若者への支援拡充も視野に入れて活動されています。
2013年5月に兵庫県西宮市で活動を開始し、現在は主な拠点を奈良市に移して活動を続けています。
不登校や高校中退に至る理由はさまざまです。例えば、友人や先輩・後輩との人間関係の悩み、家庭の経済的な事情、学業不振など、多くのケースがあります。中には、中退後の人生に不安を感じ、自暴自棄になったり非行に走ってしまったりするこどもも少なくありません。ニュールックが活動を始めた2010年代は通信制の高校が一般的ではなく、どうしていいのか分からず、相談に来られる方が多かったそうです。
代表理事の山口さんによると、new-lookが設立された10数年前は、世の中に「高校を中退すると将来の選択肢が著しく狭まってしまう」という風潮や偏見が根強くあったといいます。
中退というだけで十分な進路情報が得られなかったり、情報を集めること自体を諦めてしまったりして、自ら「自分にはもう道がない」と思い込んでしまう。その結果、希望する将来を描くことが難しくなり、進路を諦めざるを得なかった若者が大勢いました。そうした若者たちが山口さんとつながり、次のステップへ進む道を一緒に模索してきたそうです。
それから10数年が経ち、中退者や不登校のこども・若者たちを取り巻く環境は大きく変わってきました。現在も「学校に行くのは当たり前」という価値観は残っているものの、「なぜ学校へ行かなければならないのか」という理由を自ら見出さなければならない時代になってきている、と山口さんは言います。
「何のために学校へ行くのか」が見つけられずに悩み、不登校となる生徒が増加する一方で、通信制高校の普及によって高校を中退する人の数は大きく減少しました。
しかしその一方で、通信制高校へ進んだものの環境にうまく適応できず、再びつまずいてしまうケースも見受けられます。そうなると「2度も失敗してしまった」と自信を失い、支援を求める気力さえ湧かなくなってしまうことも少なくありません。それがきっかけとなり、長期間にわたって家に引きこもってしまう場合もあります。
こうした現状を踏まえ、new-lookでは「高校中退」や「不登校」を支援の軸に据えつつも、対象を限定しない方針を掲げています。多様な背景を持つ人々が混ざり合い、その中でお互いに学び合える環境こそが望ましいと考えているからです。
「こう生きたい」という一人ひとりの意思を大切に、自らの力で生きていくための手段を見つけるサポートを、現在も続けています。
またnew-lookでは、さまざまな事情を抱えるこども・若者たちが次の一歩を踏み出しやすくなるよう、進路相談や高校卒業資格(高卒認定資格)の取得に向けたサポートを行っています。
この活動の大きなきっかけとなったのが、「高卒認定資格」の認知度の低さでした。近年、通信制高校の中退者が徐々に増加している一方で、それに反して高卒認定試験を受ける人の数は減少傾向にあり、大きな課題となっています。「そもそも、そうした資格があることを知らない」という若者が多い実態を知り、「届ける情報は形を変えて、広く種まきをした方が良い」との思いから、YouTubeチャンネル「new-lookちゃんねる」での情報発信を続けています。
さらに、「中退した後にどう生きていけばよいか分からない」という不安の声も多く寄せられています。高校中退者にとって身近なロールモデルが少ないことから、実際に中退を経験した方々から話を伺い、そのリアルな歩みや体験談を紹介する取り組みも行っています。
また、「こんな生き方がしたい」という目標が見つかった若者には、各種資格の取得に向けたサポートも行っています。例えば、IT関係に関心を持つこども・若者に対しては、ITパスポートの取得支援などを手がけているそうです。
【YouTube】 new-lookちゃんねる
現在の活動を始めたきっかけを伺うと、代表理事である山口さんご自身の高校中退経験が原点にあるそうです。
高校中退後、山口さんはやりたいことを見つけるために大学へ進学し、会社員を経て一度は教員の道へ進みます。中学校や高校で教鞭を執っていた山口さんですが、学校を中退していく若者たちと向き合う中で、ある思いが芽生えます。
「学校教育はシステムとして確立されており、自分以外にも素晴らしい先生方が大勢いる。その役割は先生方に託し、自分は学校という枠の外から、違う形で若者たちを支援できないだろうか」
その強い思いが、現在の活動のスタート地点となりました。
活動初期は、まさに手探りの状態だったといいます。10数年前の設立当時は、夜のコンビニの前などに集まるこどもたちに「周りに高校を辞めた人おらん?」と声をかけ、そうした若者が今どんな状況に置かれ、どのような悩みを抱えているのか、相談に乗ることから始めました。
ポイントは、最初の10秒ほどで「自分は敵ではない」と伝えることだったそうです。警戒を解いた若者たちは心を開き、困っていることや胸の内を打ち明けてくれたといいます。
そうした草の根の活動を続ける中で、夜にお酒を提供する飲食店のマスターと知り合う機会がありました。マスターから「うちの店のスタッフにも高校を中退した20代の若者がいる。一度話を聞いてくれないか」と相談を受け、開店前の数時間を使って彼女たちに高卒認定資格の取得について話をし、具体的なサポートを行っていたこともあったそうです。
最後に、代表の山口さんからメッセージをいただきました。
「現在、不登校のこどもたちは全国で約35万人いるといわれています。そのうち8〜9割ほどは通信制高校などでリカバリーできていますので、焦らずゆっくりと見守ってあげてください。
一方で、残りの1〜2割のこども・若者たちは、どうすればよいのか分からず本当に困っています。もし皆さんの身近に、不登校や高校中退がきっかけで将来に漠然とした不安を抱えている方がいらっしゃれば、ぜひ私たちのことを教えてあげてください。
かつて不登校や中退は特別なこととして見られがちでしたが、今や生徒の10%以上が不登校を経験するといわれる時代です。決して珍しいことではありません。私たちは、学びたいと願う誰もが、いつでもやり直せる場所でありたいと願っています。
【一般社団法人ニュールック(new-look)HP】はこちら
今回も、こどもたちが楽しく学べる「HANKYUこどもカレッジ」の企画と連動し、チャリティートークイベントを聞けば答えが分かるNPOクイズを実施しました。正解された方には、H2Oサンタオリジナルクリアファイルをプレゼントしました。
本日は小学生のお子さんもクイズに参加してくださいました。高校のことはまだまだ先の話ですが、将来、本人が学校のことで思い悩んだときや、お友達がそのような状況になったとき、今日のお話が少しでもお役に立てれば幸いです。
毎週土曜日の祝祭広場は、百貨店にご来店された皆様がゆったりとくつろがれる憩いの場です。赤ちゃんから100歳を超えた方まで、幅広い世代の方々がおられます。H2Oサンタの合言葉「誰もが誰かのサンタになれる。」という思いを広める取り組みが、一人でも多くの方に届くことを願っています。
本日もご来場いただき、誠にありがとうございました。