土曜日の午後はH2Oサンタ チャリティートークイベント<NPO法人サイレントボイス>を開催しました!
2024.10.05本日、阪急うめだ本店9階祝祭広場で行われましたチャリティートークイベントは、先週に引き続き、秋の北海道物産大会の賑わいの中、『NPO法人サイレントボイス』事務局長の井戸上さんにお越しいただき、お話を伺いました。
NPO法人サイレントボイスは、2016年の設立以来、聴覚に障害を持つこどもたちの居場所作りに取り組んでいます。厚生労働省の調査によりますと聴覚障害児は約1,000人に1人の割合で存在し、学校によってはクラスに1人もいないケースも少なくありません。そのため、こどもたちは地域で自分に合った教育を受ける機会に恵まれないことも多いのが現状です。さらに、身近に同じ境遇のこどもがいないため、幼いこどもの中には、自分だけが音のない世界で生きていると感じている子もいます。聴覚障害児向けの支援施設も少なく、近くに通える場所があまりないという問題もあります。聴覚障害に対する社会の理解が十分でないこともあり、こどもたちは日常生活の中でコミュニケーションの困難を抱えています。
その様な状況の中、NPO法人サイレントボイスではコミュニケーションの壁を感じているこどもたちのための教育事業を行っています。事業のひとつとして、ろう児、難聴児やその保護者が対象の総合学習塾「デフアカデミー」という放課後等デイサービスを大阪市内で運営しています。ここでは、遊びを取り入れた集団授業やイベントを実施し、こどもたちがコミュニケーションの壁を超えて、自分らしさを感じ、こどもたち自身が夢を叶えていくための教育を提供しています。
団体では、全国各地に住むこどもたちにも、オンラインで手話のできる先生や仲間とつながり、学べる場を広く提供することを目的に「サークルオー」というオンライン学習塾を運営しています。人口の多い都市部以外の地域では、ろう・難聴児への支援が十分でないため、こどもたちは放課後、居場所を見つけられずに孤立しがちです。サークルオーでは、手話のできる先生と全国のろう・難聴児をマッチングするプラットフォームを提供し、Zoomなどを活用して週2回程度のオンライン授業を行っています。このサービスがあれば、遠方に住むこどもたちも、教室に通うことなく、手話で学び、友達や様々な人とつながる機会を得ることができます。
こどもたちにとって、人との出会いは世界を広げる大きなチャンスです。サークルオーは考え方や行動のお手本となる人たちとの出会いの場をつくる機会にもなっています。ろう児や難聴児がサークルオーを通じてたくさんの人と出会い、様々な刺激を受け、何か新しいことにチャレンジしようとするきっかけになっているそうです。
本日は井戸上さんから手話についてのお話も伺いました。例えば「ありがとう」という動作はお相撲さんが懸賞を受け取る時、手刀で「心」という動きをするというところからきているそうです。また、一言で手話といってもいろんな種類があるそうです。日本国内だけでなく世界に目を向けてみると、文化の違いがある様に手話にも地域によって違い(方言)があるそうです。例えば「仕事」という表現では関西、主に大阪では印刷業が盛んであったため書類を整える動作をするのですが、名古屋方面では自動車産業が盛んなため左右のこぶしを上下にトントンと合わせる「プレス機」の動作をするそうです。地域によって文化、習慣などが違うので手話表現も異なってくるようです。
最後に井戸上さんから、サイレントボイスの活動について少しでも多くの友人知人の方々に広めて欲しい、とのご要望がありました。皆さんも一度、「もし音がなかったら世界は一体どんな感じだろう?」ということを想像してみてください。道路を歩くだけでも後ろから来る自動車や自転車の気配が分からなかったりして、不安になるのではないでしょうか。私たちが今感じているそれぞれの自分にとっての「当たり前」が、人によっては違うということを感じるだけでも自分以外の誰かのことをより深く理解できることにつながるかもしれませんね。
ご来場の方々から「今日のお話はとても分かりやすく、興味深かったです」というお声をたくさんい頂戴しました。
今回も、こどもたちが楽しく学べるHANKYUこどもカレッジ企画と連動して、チャリティートークイベントを聞けば答えがわかるNPOクイズを実施し、正解の方にはH2Oサンタオリジナルクリアファイルをプレゼントしました。
本日もご来場いただき、ありがとうございました。