土曜日の午後は H2Oサンタ チャリティートークイベント<社会福祉法人日本ライトハウス>を開催しました!
2025.08.02本日は社会福祉法人 日本ライトハウス盲導犬訓練所 所長の赤川さんとデモンストレーション犬のロミー(9歳♂)にご来場いただきました。
千早赤坂村の施設では訓練中の犬が20頭いるそうです。
盲導犬に向いている犬種はラブラドールやゴールデンレトリーバーだそうです。。人懐っこい犬種です。賢い犬種は他にもいますが、犬の生涯で盲導犬ユーザーが変わることも考えると、特定の人ではなく、他の人にも慣れることが出来る犬種であることが大事だそうです。ほかにも、電車の中でシェパードのように大きな犬(30kgぐらい)がいると他の人をちょっと驚かせてしまうかもしれません。
いま全国で活躍している盲導犬は800頭。目の見えにくい方はおよそ31万人おられるそうです。そのうちの全盲の方はは3万人~4万人。内3千人くらいは盲導犬を利用したい方と予測されるそうです。こちらの施設では盲導犬として育つのは年間20頭程度だそうです。日本ライトハウスの訓練士は5名でこの育成に取り組まれています。訓練所は広く、清潔でドッグランもあり、獣医さんが診察してくれる診療室も備えています。子犬の時から健康管理がしっかりされているので、盲導犬は一般のペットより長生きする傾向にあります。
盲導犬に指示するときには「SIT(座れ)」「STAY(とどまれ)」と英語を使われていました。これは訓練士の方が盲導犬ユーザーさんに犬への指示の仕方を学んでもらうときに、日本語で「座れ」と教えてしまうと、訓練士が「『座れ』と指示してください」とユーザーさんに教えている最中に、犬が座ってしまうということが起きたり、方言や男性言葉・女性言葉によるあいまいさを回避するためだそうです。犬が混乱しない英語ではっきりした指示を与えることで常に一貫したコミュニケーションを図れるようにしているそうです。
犬は訓練士やユーザーさんのことを常に気にしているそうです。最初は名前に反応しただけで褒めてあげるそうです。できた時に褒めることを繰り返して犬は楽しみながら様々なことを覚えていきます。会場に来てくれていたロミーも赤川さんの様子を常に気にしていました。ずっと静かに座っていることでも「どうしたら赤川さんが褒めてくれるのかな」と待機することで褒めてもらおうとしています。待機が出来るようになると、ハーネス(白い胴輪、介助具)をつけることが出来るようになります。そして今度は歩くための訓練に進みます。訓練が進んで、階段などの段差の前で止まって、ユーザーさんに階段の位置を教えてくれます。盲導犬は階段の手前でしっかり踏ん張って進んでしまわないようにして、階段のことをユーザーさんに伝えます。
余談ですが、なぜ大きなレトリーバーの犬種なのか?。それはもし小さいマルチーズのような犬だとユーザーさんが先に歩き出すとどれだけマルチーズが踏ん張っても、ハーネスが抜けてしまったり、あるいは犬が持ち上げられてしまうというようなことが起こってしまうからだそうです。様々な危険を回避するためにも大きい犬種が向いているとのこと。
訓練所で生まれた子犬は、離乳食を終え普通の食事が出来るようになる生後2か月くらいまできょうだい犬と一緒にボランティアさんが育てます。その後、満1歳になるまではパピーウォーカーと呼ばれる一般のご家庭で育ててもらいます。1歳ぐらいから訓練が半年~1年間行われます。
盲導犬には向き不向きがあり、頭の良しあしではなく、気がつくけれど、驚かない性格でないといけないそうです。さらに、お父さん犬もお母さん犬も盲導犬で、10頭の子犬が産まれても、いろんな適正を考慮して、ユーザーさんとともに暮らすようになる盲導犬に育つのはそのうちの3頭くらいだそうです。
そんな盲導犬を育てるには1頭あたり500万円かかります。盲導犬にならなかった犬たちのための費用や職員の給料、施設費などが必要です。しかし、盲導犬は無償貸与されます。1割ほどの行政の助成と皆様のご寄付により支えられています。3千人の利用希望者がおられても、なかなか広がっていかないのはそういった背景があるからともいえます。盲導犬へのご理解が多くの方に広がりますように。
盲導犬の訓練士になるには
各訓練所に就職して、そこで訓練を始めるところからスタートします。また、訓練所は、住宅街から離れた遠方にあることが多いため、車の免許を持っていることが必須だそうです。
パピーウォーカーって?
1歳になるまで預かるパピーウォーカーというボランティアがあります。必ず、1歳で訓練所に返してもらうそうです。必ずお別れはきますが、次の子犬を早くお渡しするなど、パピーウォーカーのご家庭が、お別れに悲しんで泣く暇もないように”作戦”を立てていますとのことでした。一番成長の変化が著しく、毎日が楽しい1年間になりますし、巣立って行った犬たちが誰かの役に立つという思いを胸に預かってくださっているそうです。
皆さまへのお願い “暑い中でも訓練・お仕事”をがんばっています。
トレーニング期間中、酷暑の夏場などは朝6時に出勤した訓練士とともに歩いたり、訓練したりされるそうです。しかし、実際にはユーザーさんの生活の中で暑い中での通勤が必要だったり、日常生活でどうしても暑い中を歩かなければならない場面もあります。そのために、暑い中の訓練も行っているそうです。もちろん帰ってきたら十分に体を冷やして休ませてあげています。今の季節に街の中で盲導犬を見かけたら、優しく見守っていただきますようにお願いしますとのことでした。可能であれば、犬のようではなく、ユーザー(人間)に「何かお手伝いしましょうか」との、お声がけをお願いします。
皆さまへのお願い “暑い中でも訓練・お仕事”
トレーニング期間中は、朝6時に出勤した訓練士とともに歩いたり、訓練したりしています。でも実際にはユーザーさんの生活に寄り添うために日常生活に即した練習も必要です。暑い時間にも訓練しているのは将来に備えているのです。ユーザーさんは仕事にも行かれます。必要な時間にタクシーではなくバスに乗ることもあります。そのために、暑い中の訓練も行っています。もちろん帰ってきたら十分に体を冷やして休ませてあげています。今の季節に街の中で見かけたら見守っていただきますようにお願いしますとのことでした。
盲導犬訓練所の皆様のやさしい気持ちを感じながらお話を伺いました。
会場の方々にも、普段は触れることのできない盲導犬ですが、本日はでデモンストレーションということで、おっとりと、やさしそうな犬たちのことを身近に感じていただきました。
本日もご来場、ありがとうございまし。