土曜日の午後はH2Oサンタ チャリティートークイベント<認定NPO法人日本こども支援協会>を開催しました!
2025.08.16本日のチャリティートークイベントは、認定NPO法人日本こども支援協会の大西さんをお迎えし、阪急うめだ本店9階祝祭広場からお届けしました。
認定NPO法人日本こども支援協会は、2010年に大阪で設立された団体です。
『里親制度』の啓発や『里親支援』を通じて、里親が養育に専念できる環境を整えることで、こどもと親に愛が循環する社会の実現を目指して活動されています。
現在、日本には親と暮らせないこどもが約42,000人います。その主な理由は、虐待からの保護、親の病気、経済的な問題など多岐にわたります。そして、そのうちの約36,000人が、乳児院や児童養護施設で暮らしていると言われています。
親と暮らせないこどもたちが家庭的な環境で生活できる「里親制度」という制度があります。
里親制度のもとでは、こどもたちは特定の保護者に常に見守られ、愛情を感じながら成長することができます。
これにより、こどもたちは「自分は受け入れられている」という自己肯定感を育み、「当たり前の」家庭生活を体験することで、家族を感じます。さらに、人との関係の築き方を学び、社会で生活していく上で必要な社会性や生活技術を獲得します。その結果、自分に自信を持てるようになり、その後の人生をたくましく生きる力が身につくと言われています。
皆さんは「里親」と聞くと、戸籍に入れて法的に実子となる「特別養子縁組」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実は里親制度は、大きく分けて3種類あります。
1.特別養子縁組:実の子と同じ親子関係を結ぶ制度です。こどもが戸籍上も実の親との親子関係を断ち、養親が養子を実子と同じように扱う(こどもの戸籍が変わる)ことになります
2.養育里親:一定の期間だけこどもと一緒に暮らす里親制度です。
3.季節・週末里親:お正月や長期休暇、週末などに数日から1週間ほどこどもを家に迎え入れる、ボランティア的な里親制度です。
現在、多くの先進国では「こどもは家庭的な環境で育てることが重要」という認識があって、里親制度というものが重要視されています。しかしながら、「血のつながり」というものを非常に大事にする日本においては里親養育の割合は、約20%と低く、施設養護への依存度が高い現状にあり、里親家庭の数は、まだまだ不足しています。
日本こども支援協会では、里親特有の子育ての悩みを抱える方々を支えるため、「ONE LOVEオンライン里親会」を運営されています。
目指しているのは「里親を誰ひとり取り残さない仕組みを実現すること」です。
この「ONE LOVE」は、全国の地域里親会と連携しながら、すべての里親がつながり支え合えるコミュニティを目指しています。里親としての日々のさまざまな心配事を、ここでは気軽に共有・相談することができます。
本日は、実際に「週末・季節里親」をされている福山さんをお招きし、貴重なお話を伺いました。
福山さんは約7年前から、月に一度「週末里親」をされているそうです。始めたきっかけを伺うと、「自分のこどもが高校生になり手がかからなくなったので、小さなこどもと遊びたくなったから」と、笑顔で答えてくださいました。
預かった当初、ご自身の息子さんは高校生、毎月一回週末に迎えた男の子は小学4年生でした。福山さんは、息子さんにライバル意識が生まれないか心配されたそうですが、実際には色々と面倒を見てくれたり、「今から筋トレするぞ!」といった、親でも知らなかった「兄貴」的な意外な一面を見ることができて、頼もしく、自分の知らないところで成長してるなぁ、と感じられたそうです。
しかし、預かり始めた頃は、その子にも戸惑いがあったのか、小学4年生にもかかわらず赤ちゃん返りをして、寝かしつけが必要だった時期もあったそうです。それが、今では、福山さんが去年も今年も一緒にいてくれるという「安心感」から、すっかり懐いてくれているそうです。
現在、その子は高校生になり、ご自身の息子さんと一緒に男同士として話す時間もあるそうで、その姿を見ていると「平和な成長がある」と感じます、とお話してくださいました。「私も入っていけないの〜」と笑っていらっしゃいました。
その子はもうすぐ施設を卒業し、経済的にも自立する必要があるそうです。福山さんは施設を出た後も頼れる場所が必要であり、その後も、その子がこまったときに、頼ってもらえるようになれれば、とおっしゃっていました。きっと、里その男の子にとって、福山さんの家は第二の故郷になっているのでしょうね。
認定NPO法人日本こども支援協会のスタッフ、大西さんの活動は2011年から始まったそうです。
きっかけは、ご自身がこどもの頃、お母さまと二人暮らしをされていて、お母さまが入院されたことでした。その時大西さんは小学校1年生だったそうですが親戚などが近くにいなかったため、お母さまの友人宅やご近所や地域の方々に助けられて育ったという感覚が、大西さんの中にはあったそうです。
その経験から、「自分のように、こどもたちが様々な人々に支えられながら大人になっていく社会になれば」と自然に思うようになり、「力になりたい」と思ったことが、現在の活動につながっています。
最後に大西さんより、里親制度を知ってもらうためのハート型のリーフレットのお話がありました。「ぜひ持ち帰って、周りの皆さんにも里親制度について広めてもらえたら嬉しい」と呼びかけられていました。
また、もし里親になることを悩んでいる方がいたら、気軽に相談してほしいとのことでした。「こどものために何かできることはないか、みんなで子育てできると良いですね」と締めくくられました。
今回も、こどもたちが楽しく学べる「HANKYUこどもカレッジ」の企画と連動し、NPOクイズを開催し正解された方にはH2Oサンタオリジナルクリアファイルをプレゼントしました。
また、トークイベント後には「こどもたちのためになにかお手伝いできることはないですか?」と相談に来られたご夫婦もおられ、温かい時間を過ごすことができました。
本日もご来場いただき、誠にありがとうございました。