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活動のご報告

土曜日の午後はH2Oサンタ チャリティートークイベント<一般社団法人ニュールック(new-look)>を開催しました!

2025.11.01

本日、阪急うめだ本店 9階祝祭広場で行われましたチャリティートークイベントは、一般社団法人ニュールック(new-look)代表理事の山口さんにご来場いただき、日頃の活動についてお話を伺いました。

一般社団法人ニュールック(new-look)は、引きこもりや不登校、非行、経済的な事情など、さまざまな理由により高校を中退した、あるいは高等教育を受ける機会に恵まれなかった経験を持つ青少年、またはその可能性のある青少年を対象に、進学や就労など進路に関するあらゆ支援を行い、社会復帰をサポートしている団体です。

2013年5月に兵庫県西宮市で活動を開始し、現在は主な拠点を奈良市に移しています。この他、京都校、ネット校があり、選択肢を広げながら活動を続けています。

現在、こどもの数は減少しているにもかかわらず、高校を中退するこどもの割合は増加傾向にあるといわれています。不登校や高校中退に至る理由はさまざまです。例を挙げると、勉強のこと、クラブでの悩み、友人や先輩・後輩との人間関係の悩み、家庭の経済的な事情など、それぞれ個別の状況があるため多岐にわたります。中には、中退後の人生に不安を感じ、自暴自棄になったりしてしまうこどもも少なくありません。

new-lookが設立された13前は、世の中に「中退したら人生終わり」という風潮が根強くあったそうです。new-lookとうユニークな名前は、世間一般では学校に行くのが当たり前、という風潮の中で、新しい生き方を見つけてみてもいいんじゃないか、という思いで決めたそうです。

その頃は中退というこどで、自信を持てなくなり、情報を集めて次の人生を考えることなどを諦めてしまったりして、自ら「自分はダメだ」と決めつけてしまう。その結果、限られた選択肢しかなく、まさに「人生終わり」と言われるような道に進んでしまう若者が大勢いました。

それから10数年が経ち、コロナ禍も経験して、世の中の考え方は変わりました。不登校の生徒数は増加する一方、通信制高校が一般化し、認知が上がったことで、高校を中退する人の数は大きく減少しました。こうした現状を踏まえ、new-lookでは「高校中退」や「不登校」を活動の主眼に置きつつも、その対象を限定しない方針を掲げています。様々な背景を持つ人々が混ざり合い、その中でお互いに学び合う形が望ましいのではないかと考えているからです。

山口さんは、「設立から10数年の経験を通して、new-lookにできることの幅はかなり広がりました。この知見を最大限に活用し、『高校中退』や『不登校』という課題に限らず、地域や社会にとって意味のある場所を作っていきたいです」と語っています。

そしてnew-lookでは、様々な事情を抱える若者が次の一歩を踏み出しやすくなるよう、進路相談や高校卒業資格の取得をサポートしています。

特に、この活動のきっかけともなったのが、「高卒認定試験(高認)」の認知度の低さでした。「そもそも、そんな資格があることを知らない」という若者が多いと知ったことから、「届ける情報は形を変えて、広く種まきをした方が良い」と考え、YouTubeチャンネル「new-lookちゃんねる」での情報発信を始めました。ここでは、高卒認定試験や受験勉強、資格取得など、学校のカリキュラムに留まらず、個人の目標に合わせた情報を発信しています。

【new-lookちゃんねる】はコチラ

この活動を始めたきっかけを伺うと、それは代表理事である山口さんご自身の高校中退経験が原点にあるとのことでした。山口さんが高校生だった当時は、「高校中退は落ちこぼれだ」というような風潮が強い時代。しかし、そうした逆風の中でも、山口さんはご自身のやりたいことを見つけるために大学へ進学し、その後、一般企業へ就職、そして、小中学校の教員になられ、担任も持っていたそうです。

数年後、教員として学校を中退していく若者たちと向き合う中で、ある思いが芽生えます。「学校教育はシステムとして確立されており、自分以外にも素晴らしい先生方がいる。その役目はその方々に託し、自分は学校という枠の外から、違う形で自分のように学校を中退したりして、進路に悩みを持っている若者たちを支援できないだろうか」。この思いが、現在の活動のスタート地点となりました。

活動の初期は、まさに手探りだったといいます。街の商業施設や駅前、夜のコンビニの前などにいるこどもたちに、「周りに高校辞めた人おらん?」と声をかけ、悩みを抱えるこどもたちの相談に乗ることから始めました。たむろしているこどもたちは、「基本、大人は敵」だと思っているため、最初のうちは警戒されていましたが、敵ではないという姿勢を示すと次第に心を開いてくれたそうです。

ある時、知り合いのラウンジのオーナーから「うちで働いている子に、高校卒業認定を取らせてよ」と相談を受けます。自分に何ができるかを考えた山口さんは、その子にこう提案したそうです。「いつもより2時間早くお店に来て、一緒に1時間半勉強しよう。残りの30分は、一緒にお店の開店準備をしよう」とアドバイスしました。

高卒認定試験は、挑戦する前から「自分には難しい」と高いハードルを感じて諦めてしまうこどもたちも少なくありません。山口さんたちは、そうしたこどもたちが諦めてしまう前に、まず「学んでみる」という機会そのものを作っています。

最後に、代表の山口さんから会場の皆様へメッセージをいただきました。

もし、皆様の周りに、不登校や高校中退が原因で、将来に漠然とした不安を感じている方がいたら、ぜひ私たちのことを教えてあげてください。当事者でなくても結構です。「相談だけ」でも、まったく問題ありません。new-lookには、悩みを抱える若者と同じような経験を持つスタッフがいますので、どのような状態の人でも分け隔てなく相談にのります。安心してお話しください。

私たちは「中退」や「不登校」という枠で区切るのではなく、「今の状態から学びたい」と願うすべての人をサポートします。私たちは、学びたいと願う誰もが、いつでも学べる場所でありたいと願っています。

私たちの活動を一人でも多くのご友人や知人の方に広めていただけると、とても嬉しいです。若者たちが将来に夢を持ち、彼らを支える多様なつながりが社会にさらに広がっていく、そんな未来を期待しています。

【一般社団法人ニュールック(new-look)HP】はこちら

今回も、こどもたちが楽しく学べる「HANKYUこどもカレッジ」の企画と連動し、トークセッションを聞けば答えがわかる「NPOクイズ」を実施し、正解された方へH2Oサンタのオリジナルクリアファイルをプレゼントしました。かつてのスタッフの方がご来場してくださったり、賑やかなトークイベントでした。

本日もご来場いただき、ありがとうございました。