土曜日の午後はH2Oサンタチャリティートークイベント<認定NPO法人ジャパンハート>を開催しました!
2025.10.08本日のチャリティートークイベントは、認定NPO法人ジャパンハート理事長で小児科医でもある吉岡春菜さんをお迎えしてお話を伺いました。
認定NPOジャパンハートは、2004年に設立された「日本発祥の国際医療NGO」として、創設者・吉岡秀人(小児外科医)氏が、自身の長年の海外医療の経験をもとに、医療支援活動のさらなる質の向上を目指して設立されました。「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に『国、地域、人種、政治、宗教、境遇』を問わず、すべての人が平等に医療を受けることができ、“生まれてきて良かった”と思える社会の実現を目指し国内外を問わず活動されています。そして設立以来、ミャンマーからスタートした活動は現在、カンボジア、ラオス、そして日本国内へと広がっています。
創設者である吉岡秀人氏(小児科医)がジャパンハートの活動をミャンマーでスタートさせたきっかけは、第二次世界大戦の時、ミャンマーで戦死した日本人兵士の慰霊を続けていた高齢の日本人の方々との出会いでした。慰霊のために現地を訪れていた方々の話では、当時日本からミャンマーへの従軍者数は30万人。日本に帰ることができたのは、わずか10万人だったそうです。そして戦後50年を過ぎると慰霊される方も高齢のため医師である吉岡氏が付き添うことになったそうです。その時、慰霊に訪れていた方から、語られたのは「自分はこの場所に撃たれて倒れていた。気が付くとミャンマーの村人の家だった。そして村々の方からこっそりと水やお米、塩などを分け与えてもらい、命をつなぎ生き延びて帰ることができた。ミャンマーのこどもたちは日本兵が避難する際に、罠があるからこの道は行かない方が良い、などと教えてくれた。だからその恩返しの意味を込めてミャンマーのこどもたちを支援する活動もしている。」という話を聞かれたそうです。しかし高齢でこうした活動も続けることができなくなってくる中、「私たちが困っていいるときに、ミャンマーの人たちは助けてくれた、今ミャンマーの人たちが困っているなら、医師であるあなたが、仲間の眠っているこの地で医療活動をしてくれればそれが一番の弔いになるんだよ」という事を言われたのがきっかけでジャパンハートの医療支援の活動が始まったそうです。
現在、ジャパンハートはアジアの国々で活動していますが、まだまだ医療制度が整っていない地域が多く、例えばカンボジアなどは日本のように保険が充実していないため、貧しさから適切な医療を受けることができず、多くのこどもたちが亡くなっています。発展途上国では、設備や技術が未熟であったり、お金がないために医療が受けられない、薬が買えないなどの理由で、日本なら助かる命が助からないといった現状があります。また、日本では、妊婦の検診は当たり前ですが、カンボジアにはその制度が無く、農作業中畑の中で赤ちゃんが産まれることもまだまだあるそうです。ジャパンハートでは、「妊婦の検診をちゃんとする、そして助産師さんの育成を行う」活動をしています。日本のように医師がいて診療してもらうのが当たり前ではないので、助産師さんが一人でその地域の医療を守るという大事な役割になっているそうです。
2016年5月。首都プノンペンから北へ35km離れたカンダール州に、活動拠点となる病院を建設し開院しました。こどもから大人までの一般外来診療だけでなく、産科の診療も開始。また2018年6月に、小児病棟を増築し「ジャパンハートこども医療センター」へとなり、小児がん治療のための病棟を含む小児科病棟を増築し、小児がんや小児外科疾患を含む小児全般の病気の診療が可能となりました。また日欧米などの先進国では生存率が高まっている小児がんですが、カンボジアなどの発展途上国では小児がんの生存率は20%と言われています。ジャパンハートの医療にたどり着くことができれば生存率は50%以上にも引き上げることが可能になりました。そして、今月末には、カンボジアにふたつ目の病院が完成。11月1日から開院します。病院の規模は200床と大規模です。こどもがまた来たい(通院したい)と思える、楽しい病院になるそうです。例えば、痛い治療を頑張ったら、ガチャガチャができる。病院のなかで、ゴーカートに乗れるなど、こどもが負担なく通院できる病院です。
今年3月に発生した、ミャンマー地震では、病院も被災しました。その時は、患者さんに麻酔をかけている時で、余震に襲われながらも、全員無事に救出することができましたが、病院も大きな被害を受けることとなりました。そんななかでも、ジャパンハートはミャンマー拠点があることにより、これから雨期に入るために被災者に何が必要かがすぐに分かり、蚊帳やテントに使用する木材などを約4,000世帯に、渡すことができました。
ジャパンハートでは国内のこどもたちの支援活動も実施されています。小児がんのこどもたちは、症状の心配もあり遠方への旅行に行く機会なども限られてしまいます。そこでジャパンハートでは医療者から離れることで不安を抱える旅行や外出を楽しむことができるようジャパンハートのスタッフ・旅行先の連携病院の協力を合わせながら、ボランティアの医療従事者が旅行に付き添い「もう一度、あの場所に連れて行ってやりたい」という家族とのかけがえのない思い出を作るお手伝いもされています。
最後に吉岡さんから、ジャパンハートの活動をご家族や友人に伝えるだけでも支援の輪が広がるので、募金の方法もふるさと納税や、ヤフーネット募金もあります。そしてなにより、SNSで拡散していただけると嬉しいです。ぜひ周りの方にもお伝えください。医療従事者だけでなく、付き添いのボランティアもお願いします!とのメッセージがありました。
今回も、HANKYUこどもカレッジ企画と連動し、チャリティートークイベントの内容に関するNPOクイズを実施しました。たくさんの方に、H2Oサンタオリジナルクリアファイルをプレゼントしました。トークイベント終了後、ジャパンハートさんに寄付をしたいと尋ねられた女性のお客様は、ご自身も最近カンボジアで仕事に就くことになり、生活環境酷さを目の当たりにして、少しでも寄付したいと思われたそうです。たまたま、祝祭広場の階段に座っておにぎりを食べていたら、カンボジアの話が出てきたので、聞き入ってしまったそうです。吉岡さんからは、「おにぎりに感謝です!」と喜ばれていました。本日は、日本に一時帰国されていた、吉岡秀人氏も会場にいらっしゃって、最後は一緒に記念撮影しました。
本日もご来場いただき、ありがとうございました。