土曜日の午後はH2Oサンタ チャリティートークイベント<NPO法人ふうせんの会>を開催しました!
2026.03.19本日のチャリティートークイベントは、NPO法人ふうせんの会の西川なおこさんをお迎えして、お話を伺いしました。
皆さんは、“ヤングケアラー”をご存知ですか?
ヤングケアラーは、ケアを要する家族がいるため、家族のケア(家事、介護、こどもの世話、通訳、感情的サポート等)を行っているこどもたちのことを言います。
ケアが必要な家族とは、幼い、高齢である、病気や障害等がある、日本語を第一言語としていない等、様々です。また、こどもが行っているケアの内容も、いわゆる身体的な介護だけではなく、家事やきょうだいの面倒なども含まれ、お世話全般を指しています。
国は、2020年から2021年にわたり、小学生から大学生を対象に全国調査を実施しました。その結果、おおむね17人から20人に1人がヤングケアラーの可能性があることがわかってきました。これは、クラスに1人から2人のヤングケアラーがいるということです。
ふうせんの会は、家族のケアを担っている(または過去に担っていた)こども・若者や、ヤングケアラーに関わる専門職が集まってできた団体です。
大阪市中央区を拠点として、2019年12月に任意団体として活動を開始し、2022年2月にNPO法人を設立しました。ヤングケアラーが安心して交流できる場をつくり、彼らが夢をもって自分らしく生きていけるような社会を目指して活動しています。
現在、年間で約70名ほどのこどもたちとつながりがあるそうです。当事者の方々だけでなく、学校の先生からの相談も増えています。最近では教員採用試験にもヤングケアラーに関する問題が出題されるなど、社会の重要な関心事として注目を集めています。
こどもや若者が家族のケアを担うことは、以前から「よくあること」として見過ごされてきた側面があります。
しかし、一言で「ケア」といってもその内容は多岐にわたります。高齢の家族の外出支援や病院への付き添い、食事の介助、精神的に不安定な親のサポート、そして幼いきょうだいの世話など、多面的な役割を担っています。
最近では、海外にルーツを持つ家庭も増えており、こどもが通訳として役所や病院に同行するなど、日々のサポートによって学校を休まざるを得なかったり、自分の時間を持てなかったりするケースも少なくありません。
最大の問題は、こうした状態が家庭内で日常化しているため、本人さえも「過度なケアをしている」という自覚を持ちにくい点にあります。成長過程に見合わない重い負担がかかっていても、家族はそのことに気づかず、本人も「自分の体が弱いのかな」と思い込んでしまうことがあるそうです。
日々ケアを担い続けることによる影響は、こどもたちの生活のあらゆる面に現れてきます。
1. 学校生活への影響(遅刻・欠席、学習時間の不足)
連日のケアによる疲れから、遅刻や欠席、忘れ物、授業中の居眠り、成績不振といった問題が生じやすくなります。しかし、先生に注意されても自分の置かれている状況をうまく説明できないため、周囲から「不真面目な生徒」と誤解されてしまうことも少なくありません。
2. 心身の健康への影響
情緒不安定や摂食障がい、原因不明の体調不良など、その症状は様々です。健康状態が悪化しやすいことは国の調査でも指摘されており、たとえケアの役割が終わった後でも、心身の不調が長く続いてしまうケースが多いようです。
3. 友人関係と社会的な孤立
「友達と話が合わない」「ケアのために急いで帰らなければならず、誘いを断り続けてしまう」といったことが重なります。そもそも学校に通うこと自体が難しく、深い信頼関係を築ける友人ができないなど、深刻な孤独感を抱えることも少なくありません。
西川さんがこの活動を始めたのは、前職時代に知人から「ボランティアで手伝ってほしい」と声をかけられたことがきっかけでした。そこから関わりを深めていくうちに、気がつけばふうせんの会の一員として活動していたそうです。
実際、こどもたちだけでなく学校の先生方からも頼りにされると、心から「やっていて良かった」と感じるそうで、現在は学校の先生へ向けた研修なども精力的に行っています。
ふうせんの会には、そんな現実的な悩みを抱えた、現役のヤングケアラーや元ヤングケアラーがつながる場として「つどい」があります。この「つどい」には、4つの大きな特徴があります。
1. 同じような立場の仲間に会える
自分と同じようにケアを担ってきた人と出会うことで、ケアの内容は違っても、その時に感じた気持ちや思いを共有することができます。
2. 安心して自分や家族のことを話せる
自分の状況を理解してくれる人の前では、相手の反応を恐れずに安心して話せます。安心できる場を維持するために、秘密保持などのルールを大切にしています。
3. ケアから一時的に離れることができる
自分のことより家族を優先しがちな日常から離れ、自分の思いを誰にも遠慮せずに話せる、貴重なひとときとなります。
4. お互いの経験から学べる
学校生活、友人関係、進路、メンタルケアなど、「他の人はどうやって乗り切ったの?」というヒントを、他の参加者の体験から得られることがあります。
「つどい」は月に1回開催され、これまでに34回を数えます。ふうせんの会には元ヤングケアラーのスタッフが多く所属しているため、経験者として、こどもたちが抱える現実に寄り添いながら対話ができる“安心できる場所”となっています。
参加者からは、「自分一人ではないと思えた」「初めてケアのことを人に話せた」といった声が寄せられており、抱えていた不安が和らぎ、新たな気づきを得るきっかけとなっているようです。
最後に、西川さんからメッセージをいただきました。
「潜在的に、自分自身がヤングケアラーだと気づいていない方は非常に多いです。ヤングケアラーは自分とは遠い存在と思われがちですが、家族のケアは誰もが担う可能性があります。
決して遠い存在ではなく、『誰にでも起こり得ること』として、まずはヤングケアラーの存在を知っていただけるだけでも有り難いです。
ふうせんの会ではSNSでも情報を発信しています。もし皆さんのご友人の中に『もしかすると、あの人はヤングケアラーではないか』と思う方がいたら、ぜひ私たちの会の存在を教えてあげてください。そして、今日知ったことを、ぜひご家族の方やお友達とも話し合ってみてください」
詳しくは【ふうせんの会HP】
今回も、こどもたちが楽しく学べるHANKYUこどもカレッジ企画と連動して、チャリティートークイベントを聞けば答えがわかるNPOクイズを実施し、正解の方にはH2Oサンタオリジナルクリアファイルをプレゼントしました。こどもさんから、ご年配の方まで熱心に聞いていただき、「募金はどこにしたらいいんですか?」という声もいただきました。
本日もご来場いただき、ありがとうございました。
2025年11月で10周年を迎えました。
みなさまからのご支援に心から感謝申し上げます。
特設サイト▶ https://santa.h2o-retailing.co.jp/h2o-santa/10th/index.html